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映画『500ページの夢の束』の感想

映画の感想
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ダコタ・ファニング主演の2017年に制作されたロードムービー(ジャンルはヒューマンドラマ、コメディ、冒険)『500ページの夢の束(原題:Please Stand By)』の感想。ネタバレを含みます。2021/02/24視聴

あらすじ

グループホームで支援を受けながら生活をする自閉症のウェンディ。ルールを守り仕事もしながら人との関わりを学んでいく中で姉の住む実家に戻る事を望むウェンディだけど、小さな子供が生まれて間もないウェンディの姉は生活が苦しく経済的にも精神的にも、とてもウェンディまで受け入れる余裕がない状態。

そんな中テレビで募集していたスタートレックの脚本コンテストが開催される事を知り、普段からスタートレックの脚本を趣味で書いていたウェンディはコンテストの優勝賞金と自分が実家に戻ってもきちんとできると証明するために脚本の応募を決意するけど――。

自分の世界から飛び出して見る世界

自閉症の度合いや感じ方、表し方が十人十色なのはもちろんなのですが、今作の主人公であるウェンディを主軸にまとめて書きます。
まずは作品の内容ですがそれまで支援を受けながらもまだ途中で、いわゆる安全圏を出ない事で安定して過ごせるようになっていたウェンディが自分の安全圏である場所とルールの枠を飛び出して知る世界が短い中で丁寧に描かれています。
私は自閉症ではないし身近でそういう方と接した事がないのであくまで物語や他の人達の感想からしか測る事はできませんが、考え方、対処の仕方、物の見方が分かりやすいです。ウェンディは会話が可能で頭も良い事もありトラブルに戸惑いながらも対処していく姿は応援したくなります。

この作品、主人公は自閉症ですが自閉症ではなく10代の子供だったとしても違和感はないドラマが展開していて、普通の人でも辛かったり動揺してしまうようなハプニングがちょこちょこ起きるのでそんな中でウェンディが混乱したり苦しみながらもウェンディなりの答えを出して行動をしていく様は共感もできるしどうなるか見届けたくなります。
自分だったら諦めているような場面や動けなくなりそうな状況でもウェンディは諦めずに頭の中のステップを進めながら行動に移していく姿は見習いたいなと感じました。

ウェンディが自閉症である事で普通なら起きないような展開やウェンディならではの対応、発想は見ていて新鮮さもあり、だけど周りの登場人物もそれぞれに生活と思考があってそれらの違いが優しく描かれていて誰も悪くないのに最適解が見つからず皆が悩んでいる状態は経験した事がある人は多いと思うので説明は少ないですが状況がすっと入ってきます。

スタートレックは分からなくても大丈夫

作中ではスタートレックの脚本コンテストに応募するという事とウェンディがスタートレックが大好き?という事もあり、スタートレックの話題が度々出ますが、スタートレックを見た事が無いと分からないの?と思う人がいたとしたら全く問題ないので安心してください。

私もスタートレックはいまだに見た事がないのですが、大丈夫です。ウェンディがスタートレックの知識を披露する場面があるのと、スタートレックに関するグッズが出て来たりする程度です。
あくまでスタートレックは添えられている感じでウェンディにとって大切なものだったりウェンディなりの関わり方がスタートレックを通して描かれる瞬間があるのですが、普通に分かるので大丈夫です。

一つだけ言うとしたら「クリンゴン語」というのが作品内で出てきますがこれはスタートレックの中で使われるスタートレックオリジナル言語です。熱狂的なファンとかはこのクリンゴン語が話せるらしいです。海外ドラマの天才だけどちょっとオタクな男性たちが主人公の『ビッグバン・セオリー』でも話しているシーンがあったりしますが、それだけ入れ込んでる、詳しいんだな位の感覚で大丈夫です。
大体その時は日本語字幕が出るか後に説明が続くか雰囲気で読み取れるので。

ただ、当たり前ですがスタートレックを知っている人なら楽しさが増す小ネタだったりは盛り込まれているのでより楽しめる感じに仕上がっていると思います。一緒に映画を見た母はスタートレックシリーズが好きで何度も見ているのでちりばめられたスタートレック関連のネタを楽しんでいたようです。

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コメディ?ヒューマンドラマ?500ページ?

この作品、英語のサイトでも日本のWikiでも配信サイトでも「コメディ」とあるのですが微笑ましい瞬間はあったもののコメディと感じる瞬間がなかったのでどういう部分がコメディだったのかよく分からなかったです。
なのでコメディを期待して見るとちょっと違うと感じるかもしれないです。
あとヒューマンドラマだし真面目な問題も扱っているので感動や涙ぐむシーンはありますが、そこまで暗いとか重くなりすぎない構成になっています。

どちらかといえば主人公のキャラクター的に淡々と物語が進んで行く部分はありますが動きも多く静かでもないです。程よく落ち着いていて、ハラハラまではいかないけど見ている分には楽しめる冒険という印象でした。
作品の雰囲気と方向性は冒頭の10分ほどで掴めるのでそこで無理となったら仕方ないですが、まあ見れるかなとかどんな感じかな、と思ったら最後まで見るのをおすすめします。

あと些細な事かもしれませんが、タイトルも説明も英語の公式サイトでも「500ページ」をものすごく繰り返しているんですけど実際は427ページですし、こちらは強調はしていませんでしたが何度かその数字を作品内では聞くのでなぜ500にしたのかが気になりました。
これまでに見てきた作品だと自閉症だったり、こだわりが強い性格を持つ人は良くも悪くも数字などに執着しやすい傾向があるように感じるのでそこは427ページの夢の束の方がよかったのでは?と思うのですがどうなんでしょう。
単純に一般向けにキリが良いからとかなのか、他に何かしら理由があるのか知りたいです。

原題の「Please Stand By」は作中でも何度か使われていてキーワードになっているのでとても合う題名ですし、日本語の題名も興味を引きやすい形にしていると思います。ただ最初タイトルだけ見た時に「ティーンの小説家志望の女の子の青春話かな」と思ったので全く違って良い驚きではありました。

ダコタ・ファニングの凄さを再確認

天才子役と言われて様々な作品でその演技力を発揮してその後も期待を裏切る事のないダコタ・ファニングですが、私のチェック不足かも知れませんが最近は妹のエル・ファニングの方が名前をよく聞くし作品で見かけるなー、という感じだったのでダコタが主演なのも見たきっかけの一つではありますがなんというか内容を確認せずに見たので期待していませんでした。これは個人的に役者が見るきっかけになる時はあまり作品に期待しすぎないようにしているためです。

とはいえ下に思っていたわけでもなく、唯一分かっていた自閉症役というところから演技難しいだろうな、くらいでした。
でも見始めたらやっぱりすごいなと、主張が強すぎる事もなく周りをつぶさないけどしっかりと表現されていて、表情や声にあまり乗せないし乗らないのに伝わってくるものが多かったです。
最初に見たダコタ・ファニングがメインで出ている作品は『アイ・アム・サム』だった人も多いと思うのですが私もその一人で、少し思い出しながら見ていました。
でもサムとはまた違った、ダコタのウェンディをしっかり出しているのも凄いなと感じました。

自閉症の女性をメインにしている作品てそういえば見た事がなかったのでそれも新鮮でした。主人公の子供が自閉症とか、最近だと主人公が自閉症の医者の『グッドドクター』というドラマ(おすすめです)とかも、作品の中で脇役やゲストとして出てくることはあってもメインキャラクターで自閉症の場合は少年とかが多かった気がするので、違いがあるかは分かりませんがこういう作品を見る事が出来たのは嬉しいなと感じました。
あと作中に出てくるワンちゃんが可愛いです。

いつでも気にせず見る事ができるライト作品

軽いと形容するのは間違っている気がしますが、見終わった後に鬱鬱とした気分になったりもしないし、見る前の気分や調子から身構える必要のないという意味でライトと書きました。
ものすごい大冒険やスリル満点の映画が見たいとか、大笑いできるコメディが見たいという場合は違う作品が良いと思いますが、何しようかなーどんなのでもいいかもとか、ちょっとした何かがみたいなという時にいつでも迎えてくれる、いつでも見やすいバランスになっている作品だと思います。

見終わってから色々考える事ももちろんできますが、何かがずっともやもや残るとかそういうのはなくさっぱりと、でも無ではなく終わる良い作品です。
一人でも家族や友達とでも見れて、賑やかではないけど静かでもない…良い表現が浮かびませんが、波はありつつ穏やかな冒険作品です。作品のリズムみたいなのは内容も何もかも全く違いますが『マイ・インターン』という作品から似たものを感じました。

目に見えた変化や大きな何かがぐわっとあるわけではないけど、確実にそれまでよりも一歩進んでいて、それもまだ道半ばかもしれないけどそれでいい。明日立ち止まっても進んでもいいという余白をくれるし、そもそもそんな事を考えたり感じなくてもいい、でも自分の中の世界に深くダイブする事もできるかも、というとにかく好きな形で受け取る事ができる優しい作品です。

出演者
ダコタ・ファニング
トニ・コレット
アリス・イヴ
配給
マグノリア・ピクチャーズ / キノフィルムズ/木下グループ(日本)
2017年公開、1時間33分
IMDBでの500ページの夢の束のデータ

私の視聴方法とおすすめ配信サイト

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