Disney+で配信している海外ドラマ、ワンス・アポン・ア・タイムの第1シーズンの感想です。ネタバレを少し含みます。
※最後まで見る前の感想となっている為完結済みのドラマですが、放送中というカテゴリーに入れています。
これから見る予定、興味がある場合(視聴方法)
2021年2月20日現在まだ見た事が無くてディズニープラスで見る場合「ワンス」と検索するとそれっぽいのが3作品表示されるので注意が必要です。そして「ワンスアポンアタイム」と検索すると該当の作品が表示されないので、ワンスで検索して表示されるリンゴと女性の瞳が印象的な画像の作品を選んでください。
他の2作品のうち一つは剣を持った女性の後ろ姿のサムネイルで、これは今回紹介する作品と同じものではあるのですがシーズン1をナレーション付きで43分にまとめたものになります。
もう一つはサムネイルが男女が顔を寄せて向き合っていてその間に兎がいる、英語の「ONCE」という文字が目立つ作品。こちらは「Once upon a time in wonderland」と書かれていて作品名も「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ワンダーランド」になっていてアリス・イン・ワンダーランドがモチーフとなっている全くの別作品です。
Amazonプライムビデオで見る場合は「ワンス 物語のはじまり」と検索すれば1話目が出るはずです。タイトルだけだと違う作品の方が多く上位にきてしまうので。きちんと確認はしていないので違ったらごめんなさい。
物語の奥深さ
分厚い本もありますが、たった一冊の中に詰め込まれた話にその厚み以上の深さと広さが合って驚いた事がある人も少なくないと思います。このドラマは、ドラマでそんな物語のページをめくる時の高揚感と、展開していく話への期待に胸が膨らみながらもそんな自分の予想を超える話の広がりに夢中になる感覚を見ながら味わえます。おとぎ話やディズニーのアニメ、ファンタジー作品が好きな方なら人一倍、そうでなくても楽しめると思います。
CGはもちろん使用されていますが、『メリー・ポピンズ』のような二次元のアニメ映像との融合といった物はなく本当に現実に魔法のある世界があるかのようです。
シーズン1では冒頭と回想以外ではストーリーブルックという町の中で物語が進行するのですが、こんな小さな町の中でこんなに色んな人がいてこんなに物語があるのか、と驚くほどです。初期からかなり考えて作り込まれているのが分かり安心感もあるのですが、そのうえで展開も表現も上手いので狭い感じもなくストーリーブルックでの出来事に引きこまれて行きます。
全7シーズンで完結していて、長いと感じる人もいるかもしれませんがそれだけの人気があったという事でもありますしシーズン1だけでも情報量が多く、普段のあれこれを忘れ純粋に物語を追いかけて楽しめる没入感と満足感があるのでおすすめです。
物語のはじまり(ワンス・アポン・ア・タイムのあらすじ)
1話のタイトルもまさに「物語のはじまり」です。忘れていたのに頭に残っていたのかここの見出しをつけてから1話を改めて確認したら同じものでした。物語の冒頭はどのおとぎ話でも定番の、そして作品のタイトルでもある「Once upon a time …(昔々――)」で始まっているのでこれだけでワクワクする人もいるかもしれないですね。
文章が終わると壮大な背景と誰もが知っているおとぎ話の一幕から物語が始まりますが、それだけでは終わらずに不穏な展開に続きます。そしてそこからどうなるのか、と惹きこんだところで場面は一転、おとぎ話とは無縁の現代に。
ボストンで働くエマは仕事は順調ながらも家族がおらず28歳の誕生日を一人寂しく迎える…かと思いきや、家に押しかけてきた少年との出会いから物語に巻き込まれていきます。
少年はエマが過去に里子へと出した子供で、その子供が言うには自分の生まれ育った町は呪いがかけられていてその呪いを解くために28歳になったエマの助けが必要だと言われ、信じがたい「子供のたわごと」を聞きながらも誘拐犯として捕まりたくないために子供を家へと送り届けるものの、そこから不思議な事が起き始めて…。
おとぎ話の解釈と、現代とのすり合わせが上手い
作品の中で出てくるおとぎ話の世界と現代は別ではあるのですがある意味では同じで、でも現代にある町と考えても違和感もない形になっています。魔法も呪いもなにもない現代社会とどうすり合わせるのか、私は変な所が気になるためずっとそわそわしながら見ていたのですが次第に気にならなくなりました。
というのもここはこうなっていますよ、というものが言葉での説明では全くないのに表現されていて、だから今はこうなんだ!と作品を通して教えてくれる安心感があるのです。
おとぎ話や登場人物は誰もが知っている作品からマイナーな作品まであってその場面の再現もあるのですが、それだけではなくて現代の呪われた状況に繋がる独自の展開や物語が詰め込まれているので知らないおとぎ話ははオリジナルが気になるし、知っているおとぎ話は固定観念を覆す驚きを提供してくれたりしてそれが見ていて分かったりする場面はとても見ていて気持ちが良いです。
好きなお話のキャラクターは出るのか?出たら今はどうしているのか?なんでそうなっているのか?想像したり予想しながら見て、外れても当たっても面白いし、そうきたか!と嬉しくなる事がとても多かったです。
また、現代ではエマをはじめ普通に現代の感覚で生活をしている人達の心情も理解しやすく、よくある現代の親子関係、よくある現代の若い人の行動、とかも織り込まれているので違和感もなく、なおかつおとぎ話の世界も壊さない雰囲気に統一されているのでありえないはずなのに納得できてしまうようにバランスが取れているのに毎回感心します。
おとぎ話を見ているのに現代も見ていてどちらも上手く見ている側に違和感やストレスを感じさせず融合しているのが作品の魅力です。
場面の切り替えが見事
ストーリー上、主人公含めた現代のストーリーブルックでの出来事とそれに伴い話ごと、場面ごとで過去のおとぎ話の時の名前や関係がどうだったかなどがこまめに切り替わって展開する事があるのですが、この『過去と現代の場面行ったり来たり表現法』はここ10年くらい多く取り入れてるドラマが増えています。
それとは別で人気の「いったいどうしてこんな事に!」といきなり佳境場面でひきつけてからの『数時間前――』と始まる起承転結の結直前の転ちら見せスタート方法は作品全体ではなく長く続くアクションのあるドラマで時々取り入れてるものです。こちらはアクセントになって面白いのですが、問題はこの過去と現代の場面行ったり来たりの場合は好みもありますが表現が上手くないとだれる、しつこく感じる、飽きる、今か過去かわからなくなるというデメリットがあります。
ところがワンス(略します)にはこの方法がぴったりとマッチしていてさらに合っているだけではなくて上手いと感じます。切り替えがスムーズだし過去はおとぎの国(としておきます)なので、服装も建物も見た目も色々違っているので間違える事がまずないので一発で過去での出来事だと分かりますし、なぜその過去シーンを見せているのかは直前にまさにそれについて話していたりこれはいったい?と視聴者に不思議に思わせたタイミングで入れてくるのです。
また過去から現代に戻る時には物語に関わってくる本があるのですが、その本の挿絵風に変化してそこから戻ってくるのがまさにおとぎ話の一場面を読んだ私たちがそのページを閉じて目の前に場面を戻すような感覚で切り替えさせてくれるのもこの作品ならではでとても面白いです。
場面の切り替えではないですが、毎回表示されるタイトル画面も基本的には同じ背景なのに、その話に関わりのあるものや人がエピソード事に表示されているのでそれを見て今回はどの物語の誰が出てくるか想像するのが楽しいので気を付けて見るのをおすすめします。
話の持って行き方も前から気になっていた謎は忘れすぎない程度のところで回収されるし、もやもやも残らず見れる上に伏線もあって回収される時もどこに伏線があったのかとか分かりやすいので「いつの話?そんなことあったっけ?」となりにくいです。忘れっぽい私でも大丈夫だったので普通の人ならさらに大丈夫だと思います。
今の所欠点なし
悪人に見えたり悪人に思えたりするキャラクターはいても、それぞれのキャラクターにドラマがあり、どうしてそうなったのか、どうしてそうしているのかが少しずつ紐解かれていく中でそういったものが分かってくるので、ただただ苦手と感じるキャラクターがいません。不気味なキャラクターや、どんな事情があっても許すかは別というキャラクターはもちろんいるのですが、物語の必要悪を必要以上に悪くしないのと物語を展開させるために悪くしないのです。見ていて疲れるキャラクターがいないのが物凄く好感が持てます。
例えば主人公や主要人物が親だった場合に一番忙しい時に一番面倒な問題を起こす子供とか、若い主要人物が困っている時にさらにそれを無駄に引っ掻き回す幼馴染とか、割とよく使われている「そのキャラクター自体は悪くないはずなのに主人公がより苦悩したりするためだけに使われて見ている側からのヘイトが溜まる存在」は最近では見ていると疲れるのでそういうキャラクターがいない作品というだけでもものすごくありがたいです。
これを言うと「悪役なんだからこうして当然」とか、「こういう人も必要だから」とか、「リアルだから」という人もいますし、自分でも自分にそう言い聞かせる事は多いのですが違和感のないキャラクターもいるので全てには当てはまらないのですが制作側の引き延ばしのためとか、より主人公を引き立てる、辛い状況から盛り上げて起き上がるための駒として下げられている役というのが感じられるとどうしてももっと他にやり方があったんじゃないかなと思ってしまいます。
完全に個人の好みの問題だとは思いますが、とりあえずそういう「なんでこの人今ここでこんな事するの?(理由不明あるいは理由にならない理由がある)」みたいなパターンが今の時点ではワンスにはないのでとても見やすいです。
シーズンの終わり方もいくつかは解決はいつつ解決した事によって出てきた気になる事や新たな問題と謎も出てきて、まだまだ知りたい事が沢山ある、早く続きがみたいという状態です。この閉じ方も続くつもりの作品によくあるのですが、もうなんでこんな所で次にいくの待ちきれない、というストレスは溜まらないけど純粋に待つのも楽しめる締めくくりだったのも良かったです。
色々書いて結局思い当たる欠点がなかったのですが、一つ上げるとしたら一部のセットや小道具がちょっと作り物感のあるチープさが隠しきれていない所が何か所かあったくらいでしょうか。と言っても本当に少しだし一瞬「ん?」となる程度の微笑ましい物で気になるほどでもなかったです。
基本的にはシリアスで、重苦しいわけではないですが明るく笑える場面というのはないので吹き出すようなコミカルなものやおとぎ話の中でもきらきらふわふわっとした部分を求めている方の期待からは外れるかと思います。ミステリーや謎解きが好きだったり、おとぎ話も本や著者によって展開が違ったりするのを楽しむ人にはとてもおすすめしたいです。
おとぎ話によくある「真実の愛」とかもわりと出るのでそれ自体苦手な方はそもそも見ないかもしれませんが大丈夫な人向けです。とはいえ恋愛要素はありつつ恋愛に重きを置いた話はほぼなく、あってもおとぎ話を軸にした上でどうして今そうなってるかという流れとして入ってる程度なので恋愛ドラマが苦手という場合でもこれは見れると思います。
現在シーズン2の2話目まで見ているのですが、こちらも期待を裏切らない面白い展開が待っているのでまた続きを見ていくのが楽しみです。
※その後シーズン6の序盤まで見ています
私の視聴方法と視聴可能な配信サイト
私はDisney+で見ました
2021年の視聴履歴 2022年の視聴履歴 2023年の視聴履歴
Hulu | |
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月額1,026円で |
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U-NEXT | |
無料期間は600ポイント |
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Amazon Prime Video | |
レンタル方式の動画もあり |
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スカパー! | |
1チャンネルから契約可能 |
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DMM | |
見放題の他にもDMM.comでお手軽DVDレンタル♪1ヶ月無料体験実施中があり | |
その他 | |
Disney+での配信について
※2021年10月のディズニープラスアップデートによりワンス・アポン・ア・タイムのシーズン2以降は2022年2月時点では配信再開されていません。
ディズニープラスで見たい人は配信再開を待ちましょう。
ちなみに全部で7シーズンあります。
2/26追記
Disney+でシーズン2が3/9から再配信される予定。3以降はまだ未定。
調べたところどうやらDisney+での配信に変わりはありませんがリニューアル前は直接Disney+が配信していたのに対して、現在は「Disney+内のスターチャンネル経由での配信に変わったため配信スケジュールがDisney+じきじきではなくスターチャンネル下の配信プランに基づいているようです。
断言はできませんのでもちろん一気に全シーズン入ってくる可能性もあります。
私は契約しているDisney+かHuluでの配信を気長に待つ予定です。
4/27追記
Disney+で2022年5月11日に『ワンス・アポン・ア・タイム』シーズン3~シーズン7の再配信が開始予定です!
配信停止から約半年、一時は再生回数によっては配信自体難しいのかと思いましたがなんとかまた全部Disney+で視聴する事が出来そうです。
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