電子書籍化にあたってまず最低限必要な物をリストアップしてみました。1冊くらいなら家にあるもので誰でも簡単にできるのでまずは試してみるのもいいかもしれません。
ここでは私が普段おこなっている、そして電子書籍化によく使用されている「裁断機を使用して裁断してからドキュメントスキャナーでスキャン」以外の方法を紹介します。
正確には私は「表紙は複合機についているフラットヘッドスキャナーでスキャンした後裁断機を使用し裁断してからドキュメントスキャナーでスキャン」しています。
これはこだわりゆえのものなので、普通は裁断+スキャナーで十分です。
電子書籍化の方法はいろいろ
そもそものスタートとして、興味がある人は何冊も貯まり始めてしまった人が多いとは思いますが、今後モノを減らした生活を目指して、という場合にもいきなり道具を揃えるのはハードルが高い、という人もいると思います。やり方は色々選べるので自分に合う物を選びましょう。
大体の電子書籍化で必要なものはこちらにまとめています
先に言うと月に数冊、ある程度さくさくスキャンしてそれなりに保存できればいい人は3つ目の非破壊スキャナーでのスキャンがおすすめです。ただ外国製が多くサポートや品質は分からないのでその辺りが不安な場合は知られているメーカーのスキャナーが良いと思います。
家にあるカッターと複合機でスキャンする
私が一番最初に行った方法でもあります。まずお試しをするにあたって、家にスキャナー付きプリンター(複合機)がある人はそれでどんな感じでデータになるかを試してみるとなんとなくその作業が向いているかどうか、どんなふうに保存したいかの方向性が掴みやすいです。この方法のあとドキュメントスキャナーを試すと感動します。
カッターと複合機でスキャンするメリット
- パソコンとプリンターは家にある人はすぐ試せる
- スキャナーのソフトがなくてもスキャンボタンで簡単
- スキャナーのソフトを使用すれば品質が上がる、細かく設定できる
- 普段家にある物だから新たに購入して場所を取る物が無い(多分追加購入はアルミ定規くらい)
カッターと複合機でスキャンするデメリット
- カットもスキャンも時間がかかる(専用スキャナーと違って複合機のスキャンはゆっくり)
- そもそも複合機とかスキャナー持ってないと試せない
- ADFは紙の質がつるつるしすぎてたり荒いとすぐ詰まる、くしゃくしゃになったり破れる、スキャンできない場合もある、その都度紙詰まりを解消させて再度やり直しになる
- フラットヘッドだと1面ずつしかスキャンできない場合が多いから1ページスキャン、ひっくり返してスキャン、次のページと入れ替えてスキャン…けっこう間違えるしずれる
- 普通より時間がかかる上にずっとパソコン(複合機)に向かっていないといけない
1冊だけだし、と思っても少年ジャンプとかの紙質だと割と詰まりやすかったりします。時間もスキャナー単体の物より読み込みが遅いです。ただこれは複合機のグレードによって結構変わります。業務用の複合機も使用した事がありますが、業務用コピー機ならスキャンも割と早いです。業務用のコピー機(100万)と家庭用コピー機(10万円)だと同じメーカーで試した感じ、3~5倍速度が違います。
ただ家庭用のコピー機も年々良くなってきているので今後はもっと早くなるかも。時間はかかりますが複合機の場合ADFとフラットヘッドの両方がついていて使い分けもしやすいのでないよりはあったら便利ではあります。
他の事にも使う場合なので、自炊の為に複合機を買うのはやめておきましょう。コピーやFAXは必要なくて本の自炊の為だけにスキャナーが欲しい場合はドキュメントスキャナー(ADFタイプとフラットヘッドあるとこだわれる)だけで十分です。
切らずにフラットヘッドでスキャン
複合機の上部、平らなガラス面に本をひっくり返してのせることでカットせずにスキャンする事も出来ます。この方法は楽ですが1ページずつめくらないといけなかったり、向きが読み込むごとにばらばらになってしまいがち。
とあるページだけを保存しておきたいという場合はこれでも十分です。
もしくはそれなら以下のスマホでスキャンの方が簡単です。
スマホで本を傷つけずスキャンする
これが一番簡単で道具もいらないと思います。綺麗にスキャンするなら多少コツや固定する何かを使用する必要があるかもしれません。
一時的にデータとして使用したいもの、たとえば教科書や参考書を裁断せず普段は本を使用して、自分で学習する際などに文字認識でスキャンして書き込みをしたりメモを付けたりと活用する時などにはもってこいの方法です。
スマホでスキャンするメリット
- スマホ1台あれば今すぐできる!(タブレット、デジカメ、webカメラでも可能)、固定する台やクリップがあると便利
- 無料のアプリで簡単にデータ化できる
- 本を破壊する必要がないからとっておきたい本にも使用できる
- 知識も設定もいらない、特にアプリを使えば自動でやってくれる
スマホでスキャンするデメリット
- しっかり開けないページや大きな本は補正してもデータの色や形が歪む可能性がある
- 1ページずつ写真を撮ってページをめくってを繰り返すので時間がかかる
- 時短を狙うならスマホをガラス台に置いて、とかスマホスタンドで固定してページも開きやすい台になる何かを使用したりと工夫が必要
- スマホのデータがいっぱいになるので、スマホ一台での保存は厳しい
パソコンを持っていなくてもスマホやタブレットに本を取り込むことはできるし誰でも今すぐできます。私も最初雑誌の表紙をスマホで撮影して保存しようと3つほどアプリを使用してみましたがこだわるとパッと見はきれいでも一部だけ細かい歪みがでたりするのでずっと保存したい漫画には向かないかもしれないです。
表紙などつやつやした紙は反射するので、撮影した画像の4角を選択すると自動で平面に比率を補正してくれるアプリを使用しても反射が残る場合や一部だけ画像が歪む場合もあります。
小説などの文章が多い場合は文字認識モードをオンにしてスキャンできるアプリを使えば安心だと思います。文字のデータとして残せたらいい人なら問題ないと思いますが他は注意が必要です。
また、パソコンを持っていない人でもやりやすい方法ではありますが、何冊もスキャンする場合は保存したデータがスマホを圧迫するので、メモリーカードや外付けのHDDを購入したりクラウドに保存するならクラウドサービスに課金したりといったものが必要になってくるかと思います。
データに関してはどの方法でも増えるので保存しておく媒体の確保が必要です。
非破壊スキャナーで本を傷つけずスキャンする


スタンド型スキャナー、ブックスキャナー、書画カメラ、ドキュメントカメラなど色々な呼び方がありますが、デスクランプのような形をしていて下に広げた本を上からスキャンするタイプのスキャナーがあります。
こちらも最近種類が増えて来て、本を破壊せずにページをめくっていくだけで綺麗に書籍をスキャンできる書籍専用のスキャナーとなっています、ライトもついているのでページごとに色ムラが、という心配も少ないと思います。
とりあえずデータにそれなりのクオリティで残せたらいい人は今から簡単に安全に始めるならこの方法がおすすめです。
パソコンとこれだけあれば裁断に必要な物が何もいらないのでコストも低め、コンパクトなので使用しない時は収納もしやすいです。
当ブログでも非破壊スキャナーについてまとめて、おすすめ機種を調べて紹介しています。
非破壊スキャナーでスキャンするメリット
- そんなに場所を取らない、机の上に置いてページを開けばスキャン可能
- 対応ソフトが秀逸、自動で本の形を補正、中央のゆがみも直して本のデータにしてくれる
- 本を破壊する必要がないからとっておきたい本にも使用できる
- ページをめくるだけだから結構早く読み込める
- 裁断の手間暇がいらない、刃物を扱わなくていいから安全
- スキャン後の書籍は破壊しなくてもいらない場合、そのまま処分がしやすい
非破壊スキャナーでスキャンするデメリット
- パソコンの近く(USBケーブルの届く距離)で本を広げられる平らなスペースを確保しないといけない
- 専用のソフトを自分で調整(こだわらなければそんなにする必要はないと思う)
- 最低限のパソコン操作やソフトをインストールして使用する知識は必要
- 国内メーカーのものがない?
非破壊でスキャンする場合は本を取っておきたい人が多いと思いますが、実は処分する人にも向いています。何故なら裁断した本は大量の紙の束となるので紙ごみやほこりも出やすいし、捨てる時もばらけないようまとめるのが少し大変だったりします。でも破壊しばければ紙ごみもでないし、処分する時も普通の雑誌や古紙と同じようにぱぱっとひもで結んでさっとゴミに出せます。
多分まだ無線タイプは出ていない?のでUSBケーブルが届く範囲(もしくは延長ケーブルを使用)での使用になります。これは今後無線タイプも出てくると思うので軽いし収納と片づけは楽かもしれません。
ページもめくると自動でスキャンしてくれるものがあるのでスキャン出来てるかも確認を同時に行えて時間のコスパも悪くないと思います。
デメリットも一応は挙げましたが他と比べたらデメリットですらないと思います。
ただ日本製のものはまだこれから増えていきそうな感じで少し高価、今多く販売されているのは日本語が怪しい説明のものしかなかったです。性能には問題なさそうですが、サポートが不明なのでレビューや使った人の意見を良く調べてからがいいかもしれません。
機材をレンタルしてスキャンする
検索してみると自分で用意している人もいますが、裁断機やスキャナーはレンタル業者を利用する事もできます。全体的に量が少なかったり、まとまった時間があって数日から1週間以内には全部の自炊が終えられる見積もりの人、どんなものか裁断機やスキャナーを買う前に試してみたい人におすすめです。
機材をレンタルしてスキャンするメリット
- 必要な分だけ終われば手元に道具が残らないので部屋がスッキリ
- まずは実機に触れて実際にどんな感じかを購入前に確認できる
- 購入しなくていいので違う種類の裁断機やスキャナーを数種類試す事も可能
- 手入れがされているので不具合の心配が少ない
- 数日から細かくレンタル期間を設定できる
機材をレンタルしてスキャンするデメリット
- レンタル料金が少し高いものが多い。
- 気に入ってもそのまま買い取りできる所は今の所少ないので自分で探して購入しないといけない
- 破損したりしてしまった場合、追加料金が発生する事もある
- 手入れはされているけど新品ではないので使用感はある
私も最初大型裁断機をレンタルしようかと迷ったのですが一番のネックは「1週間借りるより買った方が安上がり」と言う事で、次に不要になった際の処分方法を検討。結果、しまっておいても良いスペースが我が家にある事と、引き取り業者や地域のごみ回収で重さで支払い引き取ってくれる所もあるので問題にならないと思い購入しました。
処分が難しいけど置いておくスペースがないという場合はレンタルの検討もありです。雑誌数冊処分すれば同じだけのスペースは空きますが、裁断機もコピー機も平置きがメインなので自分のライフスタイルに合うか、手元に置く価値があるか試すのは大いにありだと思います。
スキャナーだと3泊~2週間くらいのレンタルで5,000円ほどでお試しが出来ます。
細かいメリットやデメリット・購入との比較はこちらにまとめています。→「スキャナーはレンタル・購入どっちがいい?(本の自炊・電子書籍化)」


DMMいろいろレンタルは送料1,000円がかかりますが往復での固定料金なので自分で計算したり発送する時に別途払う必要がなく、細かいレンタル日数調整可能・レンタルできるスキャナー機種豊富・裁断機とスキャナーセットの貸し出しもあってオススメです
代行業者を使用する
手持ちの本を預けて裁断スキャンという自炊作業を代行してくれる業者もあります。
自炊はそれほど難しくありませんし月に数冊ならカッターでできますが、家で十分なスペースがないとか、スキャナー関連を持っていなくて電子書籍化のためだけにスキャナーを買うのはちょっととか、こういった作業が苦手な人や、家にペットや子供がいて刃物を極力使用したくないといった場合は代行業者を利用するのもいいかもしれません。
1冊100円から、最短2日でデータ化など、自分の希望する形に合う業者を探すのも手です。
私は使用した事が無いので何とも言えませんが後述のデメリットが大きいのであまりおすすめはしません。
代行業者を使用するメリット
- 簡単、申し込みして持ち込みか送れば待つだけで電子書籍化されたデータがもらえる
- 道具が要らないから部屋を圧迫しない、不要になった際の処分を考えなくていい
- スキャンを終えた書籍は処分してくれるところも多いからすぐに部屋がスッキリする
代行業者を使用するデメリット
- どこを選べばいいか探すのが大変(検索すると結構出てくる)
- 違法性があるかもしれないのでリスクがある(複製販売に当たるようです、グレーだとは言われていますが何かあった時は自己責任となる)
- 信頼できる業者かわかりにくい、最悪お金と書籍を失う可能性がある
- 自分の好みの形で保存できないかもしれない
まず何より個人的に心配なのは違法性の問題です。以前はずっとグレーだと言われていましたが最近では違法にあたる、と判断されているみたいです。積極的に摘発されたり、と言った事はまだないのかもしれませんが今著作権や複製などに関して関心が高まり厳しくなってきているのでリスクを負ってわざわざ業者を探して…というのもそれなりに面倒だしもしも違法とはっきり判断されて何かあったら全部自分にのしかかってくるので覚悟が必要だと思います。
また、電子書籍化の特製から例えば自分で裁断とスキャンをするうえで失敗して紙が破れたりしてもショックはショックですが自分でした事、と反省して次につなげていけます。画質が悪かったらスキャンし直す事も出来ます。
けれど他人にそれをゆだねてもし何かあったら仕方ないと諦められますか?基本は処分前提の書籍だとは思いますが、お金を払ってデータにもならず本もだめになりました、となる可能性も考慮しないといけません。本が駄目になった場合の保証している(できる)ところはほとんどないと思います。
どちらも時間とお金と神経をそれなりに費やすのなら自分でやった方が後々自分の気が楽かなと思います。とはいえこのサービスには詳しくないので的外れな事を言っている可能性もあります。自分で調べてよく吟味検討してみてくださいね。
ペン型スキャナー、ハンドスキャナー(モバイルスキャナ)は?
片手で持ってスキャンしたい紙に当ててスッとスライドさせると読み込めるハンドスキャナー。1行ずつ読み込めるペン型スキャナー。場所も取らず鞄に入れて持ち歩きも出来る便利グッズです、これらも書籍のスキャンはできますが雑誌の自炊にはあまり向かないかなと思います。
ずっと手で持ってスライドして歪んでいないか確認して、というのは割と手間だと思うので特定のページだけ破らずにスキャンしたい場合にはいいかもしれませんが、それならスマホで撮影でも十分な気がします。
レシートや名刺などの単品、小さな物を数枚読み込みたい時にはよさそうです。
おわりに
部屋をすっきりさせたいし電子書籍化したいけど裁断機を買うのは悩む、時間はあるけど場所はあまりとりたくない、お金をかけたくないという場合にも色々な方法があるので自分にあったものを選択して挑戦してみるのもいいかもしれません。
その際はいきなり大本命の大切な本からではなく失敗してもいいものから挑戦してみてくださいね。
コメント