ツイステッドワンダーランドのメインストーリー5章までのネタバレがあります。遊んだ事がある前提でゲーム内の用語も出てくるのでツイステを知らない人には何を言っているか分からない内容だと思います。
個人的に感じた良かったところと残念だったところ。
はじめに
まず4章の後編が6月の始めに配信されてから5章が配信されたのが9月中旬。10月の半ばから1か月はハロウィンイベントを挟んで年明けに残りが配信された(いつ配信だったか忘れてて調べた)。
これに対して長いとか遅いっていうのはちらほら見かけたけど個人的には合間にイベントがあったりしたのもあって全然気になってなかった、というか他のアプリも新章が追加されるまでって結構間が開いてる気がしてたからむしろ4章までが慌ただしかったかな、くらいの気持ちだった。
3月でリリースから1年になるけど開始当初からものすごく人気で、私もディズニーのガチファンてほどではないけどアニメはまあまあ好んで見てるし絵柄も綺麗だから事前登録して楽しみにしていて、リリース日にダウンロードして遊び始めて珍しく継続的に遊んでいるアプリ。
人気なだけに話題は良い物も悪い物も多くて、悪いのは主にバグ関連と運営の対応をよく見かけた。その辺りは気になったし問題をきちんと解決するためにしっかりしたメンテナンスや対応はしてほしいなと思いつつストーリーとキャラクターが好きだから続けてる。
特定の推しに入れ込むタイプじゃないのもあって好きなキャラ関連で不遇に感じたこともなかったし、課金はバグが怖くてしていないのと申告なバグにはまだ幸い遭遇していない。ものすごく強くしてしっかり考えて戦略立てたりしないとクリアできないというほどの難易度でもなくスタミナもループで消費できるし(エラーとかで再起動になると無駄になるのは出来れば再起動したときに中断している授業を再開しますか?みたいな無駄にならない形にしてほしい)、リズミックが絡んだイベントでもリズミック自体は放置でもポイントが入る音ゲー下手な私にも優しい仕様になっているのはありがたい。
5章のよかったところ。
4章で盛り上がった気持ちは少し落ち着いてはいたけど盛り下がるまではしていなくてのんびり眠っていた感じだったから、5章始まるんだー楽しみーくらいの軽い気持ちだった。前編が始まってみたらとにかく楽しすぎた。最初から楽しすぎた。あまりに楽しかったからかスマホにメモで一言ずつ残ってた。
4章では熱砂に囚われるとんでもバケーションを楽しんだけど学園生活が再開してテンションもあがる。クルーウェル先生のホームルームに始まってバトルでも先生が登場!最高過ぎる。
4年生がいない理由は個人的には全然気にしてなかったけど明らかになって今後出てくる可能性もあるのかなと楽しみが増える。
さらに文化祭という学園らしいイベントが始まるって言う事でそれになんだかんだ参加する(巻き込まれる)事になった監督生。他の寮のみんなともちらほら会話や関わりがありつつ4章でメインだったスカラビアの二人もしっかりでてくるし、いい意味で予想外な事がいっぱいあったりちょっとしたキャラ同士の会話や反応も可愛くて楽しい。そんな中でヴィルは不穏な感じだしエペルも不満が溜まっていそうだし二人の関係は気になるし…と一行読んでは手を止めて、にこにこするのが止められなかった。
ちょっとした言い回しが面白かったり、前回そういえばあれってどうなったの?みたいなちょっとした疑問とかの裏側が分かったりしていくのが最高に気持ちいい。そしてまさかのOP曲でのリズミック。NRCトライブバージョンのOP曲…話が進むごとにこんなに情報を浴びていいの??というくらいの内容、ボリュームもこれまでよりもものすごく濃くて長い。
早く続きが読みたいけどいくらでも待てるゾーンに入ってた。待っている日々は色んな実況者さんのプレイするのを見て、同じ所で笑ったり楽しんでいるのを話を振り返りながら一緒に楽しんだ。あと何よりめちゃくちゃ考察をした。オバブロするのはこれまでのパターンと消去法でヴィルかなと思ってたから、ヴィルがなぜ、どうしてオバブロするのか、何がとりあえずの解決になるのか、VRCの前なのか後なのか…思いを巡らせるのが楽しすぎて寝れなくてメモに何通りも打ち込んではああでもないこうでもないと想像を巡らせてた。途中でハロウィンイベントが1か月近く挟まったけどそれで勢いが落ち着くかと思ったけど全然そんな事なくてますます楽しくなった。途中までは。
期待が大きくなりすぎた事に気付いた
ハロウィンの後半のストーリーが配信された辺りまでは本当に、妙な言い方だけど「ヴィル様に夢を見ていた」トランス状態みたいなのが続いていて謎の幸福感に包まれてた。ツイステの事ばかり考えてた。そうなんだけど、ハロウィンイベントで分かったヴィルの事とヴィルの発言でそれまでの考察もどきの妄想が止まった、危険信号みたいなのを受け取った気分というか、自分でもよく分からないけど「あ、これはまずい」って思った。
というのも自分の妄想を裏付ける伏線がなさすぎる事に気付いたから。全部自分の中で大きく膨らませすぎていたのが、そこで急に2章のサバナクローのエピソードが浮かんでもしかしたら自分が想像する一番低いラインの所になるかも…みたいなのを感じてビックリするほど冷静になって、ハロウィンイベントはがっつり楽しみつつ5章へのねじれた妄想とは距離を置いた。上手く置けたと思う、中編が年末に配信されてもすぐ読まなかった。
魅せ方のバランスへの不満
妄想していた日々は自分の中で世界が広がって楽しかったからそれはいい。で、改めてハロウィンでのヴィルのとある発言をみてハッとしてから自分でもう一度5章を最初から読み直したら、どの妄想に繋がる伏線もなさすぎた。どこにもなかった。妄想だから当たり前だけど、何も無かった。ただ、3章4章とこれからどうなるの?と想像したくなる伏線やヒントがあったし立ち回りが面白かったり、監督生が気付いた事をプレイヤーが何々??ってすぐ気づけないような展開だったりすごく面白かったんだけど、2章に関してはわりとオバブロへの流れも理由もそんなので??と思ってたのが強く思い起こされた。
ずっと覚えてはいたんだけど、それも個人的には学園生活をそれなりに楽しく過ごしつつ各寮がメインのエピソードがまずあってからオバブロが多発する原因究明の第2部があるんじゃないかなと思ってたから。だからこそどの章も完全解決になってなくて少し消化不良の、根本的な解決には至ってない終わり方なんだと思ってた。
3章4章ではそんなに感じなかったけど2章みたいな、え、そんな理由で?こんなすぐ?みたいなオバブロが来るんじゃないかって急に危機感を覚えて、中編配信されて少し待ってから読んだ。それから後編も読んだ。危機感が合っていたみたいで、やっぱりなという気持ちで自分が想像した中でのそうじゃないといいな…というなんか思ったより小さな理由でぱっとオバブロしてしまった感じの流れだった。小さくはないよ、ヴィルの過去回想は分からないでもないんだけど、私がもっとヴィルらしい理由があるって思ってただけ。
さらにはネージュも人によっては「はいはい光属性ですよねー」と苦手になる立ち回りをしていて残念だった。そしてルーク。ルークファンは結構心折られた人が多かったような印象だった。謎めいているルークは私も大好きで、意外性というか知られていなかった側面は意外だったけどその瞬間の流れは面白かったしなるほどね、くらいだった。ただそのルークの見せ方というか順番のせいで誰も幸せにならない感じになってしまってる気がした。
グリムがツナ缶富豪になる事はないから優勝からの無効とか、優勝逃すのかなとはぼんやり思ってたし負けるのは予想してた人も多かったと思う、ただ1点差じゃなくてもよかった。そしてそれが一番効く瞬間に自分がライバルに投票したけど今一番美しいのは君さっていうルーク。夫婦の寝室で浮気相手こそが永遠の初恋の人だからこれからも付き合う、でも毎日帰るのは君の元だし添い遂げるのは君さって言われるくらいの腹立たしさがある。
それ以上に最高に辛い瞬間さらに焼印を押し付けて苦しみに歪む君が美しいからと美を見たい欲望のために自ら苦しみを与えてその美しさを抉りだして堪能する、まるで連続殺人者が出てくるドラマのサイコパスにすら思えた。ルークがRSAに投票した事は悪くないのに1票差だったのが必要以上に重くのしかかるし、それをその場で言うのも誰も得しないし皆受け入れているのも不思議。
ルークはヴィラン側なんだから当たり前じゃん、という意見も見たけど個人的には白雪姫に登場するハンターはヴィラン気質ではないと思うし、これまでどのキャラクターもここはヴィランがヴィランになるための悪い世界のワルを目指す学校です悪い事最高とか言ってるわけじゃない、ヴィランたる要素を持ち合わせたキャラクター達が住んでいるねじれた世界だけど悪人養成学校とかでもなく、ヴィランになりかねない人が心をなくすような出来事や人生があってそうなっていくかもしれないし、そうならないかもしれないという物語になってると解釈してたからどのキャラクターにも言えるけど、NRC生だからヴィランなんだから悪くていい、RSAはヒーロー側だから無邪気にヘイトを集めてもいい、はちょっと違う気がするというか、公式がそうしてるから間違いではないけどもっと全員を魅力的に表現できるやり方はいくらでもあったのに、と思わずにはいられない。
現時点で最も純粋な悪に近い存在にルークがなってしまっている気がして、制作側はそんなつもりがないんだろうしファンもそれを求めてないと思うからやりきれない。ヴィルの良さも、エペルの良さも、ルークの良さもこんなものじゃないはず。瞬間的に期待が持てるような好きなシーンはあっても短すぎる、見せたいシーン詰め込んであとは適当につなぎ合わせた様に見えてしまった。オバブロもポムフィオーレのターンだからさせました、位に見えた。それにまつわるVDCや他の寮のキャラ達も活躍していて好きが増しやすかっただけに、なんでこんなまとめかたにしたんだろう。
文化祭関連の部分も盛り上がってたけど、どうせなら5章は文化祭、6章がポムオバブロみたいにじっくりやってくれても良かったと思う。いまさら言っても無理だしもう全部の流れは決まってるんだろうと思うけど、不必要なヘイトを稼ぐ魅せ方ややり口は今後も楽しみたいから止めてほしいな、という気持ち。
ヴィランの話題が出た所でもう一つ、これまでも元ネタになっている作品の台詞や小ネタはちりばめられていたんだけど、こと5章に関しては「毒リンゴ」「ヴィラン」「美しいのは…」というのをやたらと連呼していて、前はディズニー分からなくても楽しめるし元ネタ知ってるとにやりとできる、知ってからまた遊ぶとさらに楽しめる、程度だったのがくどいくらいにヴィランと毒リンゴを繰り返していてなんだか違和感があった。
出てもおかしくない単語、ではあるんだけど、そこに至るまでのなぜ毒リンゴなのか、とかヴィランの言葉とかがもっと肉付けされていれば受け取りやすいし(それはそれでそこまで連呼しなくてもいいけど)執拗に繰り返されていて押し付けられている気持ちになって没頭しにくかった。
今後への希望
例えばヘイトを稼いだキャラクター達には理由があったとして、これからそれが分かっていくんだとしてもそれまでに離れてしまった人は気づけないし、それこそまだ理由があるのかもって伏線が張ってあったら一気に拒絶反応を起こして苦手になったり辞める人も少ないと思う。読みたくない人はやめればいいの精神ではないと思いたい。
私は最後まで遊びたいなと思ってるけど物語への期待値は下方修正したし、覚悟はしてたけどがっかりした気持ちもあるし、今までのネガティブな要素を覆していく展開が今後あると思いたいし、あるなら早めにその辺はアピールしておいた方が人が離れなくて良いと思う。ヴィランだから、あの先生だから、ディズニーだから、みたいなのはあまり理由にならない流れもあったからその辺りのバランスをもう少し整えてほしいなと思う。
謎解きをしているような章もあればプレイヤーおいてけぼりになるのもあって、個人的には「でもまあ”瞬間最大萌え力”は高かった、可愛い所面白い所があったからいいか」と思う事にしたけどバランスを少し変えればめちゃくちゃハマる人が増えるんじゃないかと思う。大人気だから別に増えなくてもいいのかもしれないけど、ものすごくいいだけに惜しさがある。バランスといえば物語やキャラクター、演出のバランスもだけど音量バランスもおかしい事が多い気がするのでそれも直してほしい。
5章の後編2は音量バランスが物凄く悪く感じてそれも気が散る要因だった。メインストーリーも後半戦に入ってるし量も増してるから、話の質も維持してほしい、そこに重きを置いていないなら全体的にざっくりふわっとしていれば気にならないから調整してあるのは期待したい。
裏切られた気持ちになるのは勝手に期待してるから、とは言うけれど期待していなくてもがっかりする事はある。そして好きな物は全肯定しないといけないわけではないと思う。ルークも褒める所は褒めて諭すところではきちんとしめてる。ツイステが好きなのは変わらないしこれからも遊ぶしイベントやカードも楽しみだけど、長く楽しみたいからこそより良くなってほしい。
ホーム画面でキャラが動いて喋るだけで喜ぶ単純な私でも、期待しすぎてるなって気付いて覚悟した後でも、やっぱり少しがっかりはしてしまったから。勝手な事を言ってるだけだけど、こんな考えの人もいるよってことで。昔人気だった作品が同じ時代のままの設定でリメイクされた時に一部の描写が不自然な修正が入っていて他にやり方が沢山あっただろうになぜ、と残念な気持ちになるのと似てるかも。せっかく素敵な物と可能性が詰まった作品だからよりおいしく活かしてほしい。できるはずだから、良いだけにあれが残念、これがなければ、ではなく純粋に良い、と言いきれるものになってほしい。メインストーリーはこんなちょっと残念な感じで今後も続くと期待値は下げてるけど、良い方に裏切って欲しい。
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